2024/10/03 07:54

ひとりさんってね、7人きょうだいの末っ子なんです。
そうすると、よくこう言われるの。
「末っ子だから、親御さんにずいぶん可愛がられたでしょう?」
あのね、ひとりさんは確かに可愛がられたんだけど、それは末っ子だからじゃないよ。
私が可愛いから、可愛がられたの(笑)
可愛い子っていうのはね、よく観察してみると、親に可愛がられるようなことを言ったりしたりしているものだよ。
可愛がられるのには、可愛がられる理由がある。
当たり前だけど、ものすごく大切なことです。
わかるかい?
じゃあひとりさんはどんな可愛いことを言ってたんですかって、自分ではわからないんです。
ただ、母親思いの子だったかもしれないね。
わがままなんかは言わなかったから。
うちの母親はものすごく働き者で、そのおかげで、豊かで人並み以上の生活をさせてもらえた。
母に仕事の才覚があったからなんだよね。
けどね、母が忙しくしていると、ほかのきょうだいから「お母さんは仕事ばっ かりで、全然構ってくれない」なんて聞こえてくることもあったの。
子どもだから、どうしてもよその親と比べちゃうんだよ。寂しくなっちゃうんだよね。
それでもひとりさんは、一切、不満はなかったんです。
なぜかというと、「おんぶに抱っこはできない」 ということを、子どもながらに知っていたから。
あのね、おんぶと抱っこの両方はできないよ(笑)
おんぶか抱っこか、どっ ちかにしないと。
食べさせてもらって、着させてもらって、温かい家で生活させてもらって、もう十分してもらっているんだよ。
それなのに「遊んでくれない」って、両方ねだるのはただのわがままなんです。
こういう話をするとね、「私は親に求めるばかりで、文句しか言ってこなかったなぁ」って、暗い顔で反省する人がいるんだよね。
だけどね、反省なんかしなくていいの。
そう思っている時点で、もう十分すぎるくらい反省できているんだから。
私たちは、前進するために生きているの。
幸せになるために、この世に生まれてきたんです。
反省じゃなくて、感謝だよ。
暗い顔より、明るい笑顔だよ。
終わったことをいつまでも引きずらないで、幸せになるという義務を果たせるよう、魂を向上させようね。