2024/06/28 08:14



「悟」っていう字は、りっしんべんに五を書いて、口を書くんだよね。   

りっしんべんは、心を表します。   

「五」っていうのは五本の指を表して、それを自分の「口」のほうに向けて、口を指す。   

これが悟りだって言うんだよね。   

で、何が言いたいんですかっていうと、自分の口の使い方がたいせつだよってこと。   

人は、吸う息、吐く息で生きてるんだよね。   

それから、いいものを食べれば元気になるし、へんてこりんなものを食べていれば病気になる。   

それと同じように、人生も、いい言葉や、愛のある言葉を話していれば、いい人生が浮かんでくるし、とげのある言葉をしゃべったりなんかしてると、人生がダメになってきちゃう。   

口の使い方ひとつで、健康から人生から、ぜんぶ左右できますよって。   

だから、「自分の口の使い方がよくわかることが、悟りなんだよ」っていう話ね。   

口って、す~ごいたいせつなの。   

船は、舵ひとつで、右でも左でも動くんだよね。   

車で言えば、ハンドルがあるじゃない。   

方向を決めるんだよね。   

言葉っていうのは、いわば、自分自身のハンドルなの。   

そのくらい、たいせつなんです。   

だから、いつも「地獄言葉」をしゃべってるのに、「天国へ行きたい」「幸せになりたい」って、そんなのは無理だよね。   

わかるかい?   

それから、非常に残念なことなんだけど、「地獄言葉」をしゃべってる人は、そこに毒があることにすら気がつかないの。   

周りの人が聞くと、明らかに、人の悪口だったり、不平不満だったり、文句だったりする。   

でも、自分では、あたりまえのしゃべりだと思ってるんだよね。   

まさか、自分が「地獄言葉」をしゃべってるなんて、思いもしない。

だけど、今まではそのことに気がつかなかったとしても、これから少しずつ、少しずつ気づけたらいいんだよ。   

そして、「天国言葉」をしゃべるようにしたらいい。   

それが、あなたにとって、今世でたいせつな仕事だよね。   
 

高津りえ 著   

『斎藤一人 ゆるしてあげなさい』より