2024/06/03 08:24

ある人から聞いた話によると、この世の中には、自分の人生を楽しみつくせる人と、そういうふうに生きるのは難しいと思ってしまう人がいるのだそうです。
私は、この話を聞いたときに、一つギモンに思ったことがありました。
それは、“幸せ”というのは「人生を楽しみつくさなくては手に入らない」ようなものなんだろうか、そんな重々しいものなんだろうか、というギモンです。
というのは、私が日々感じている“幸せ”って、「もっと軽い」のです。
読者のみなさんが、もし“幸せ”は「ちょっとやそっとで手に入らないもの」と思っているのだとしたら、一度、ためしに周りをよーく見渡して、幸せそうな人がやっていることを観察してみてください。
幸せそうな人がやっていることを見ていると、
たとえば、好きな役者が出ている映画を見に行くとか、
かわいがっているペットの写真をスマホの待ち受けに使ったり、
週末に流行りのスイーツを食べに行くとか、
あなたが「なんだ、そんなことか」と思うような、軽い楽しみをやっていることに気づくかもわかんないね。
気づいたら、自分も軽い楽しみを一つひとつ拾い集めて、どんどん、どんどん積み重ねていけばいいんです。
そうすれば、チリも積もれば山となるからね。
貯金だって、いきなり「1億円、貯めよう」なんて思わないでしょ。
「1日100円ずつ貯めよう」とか、自分ができそうなところからはじめるじゃない?
それと同じように、軽い楽しみを、どんどん、どんどん積み重ねていくんです。
軽い楽しみを積み重ねていく過程に、ささやかな発見があり、創意工夫が生まれたりするんですよ。
そういう意味で言うと、積み重ねの過程こそが人生のだいご味じゃないかと、私は思っているのです。
斎藤一人 柴村恵美子 著
『人は死んでも生き続ける』より