2024/05/11 08:33



人を育てるって、大変なことだよね。

一方的に「育てる」っていうんじゃなくて「自分も一緒に育とう」と思わないと無理なんだよね。

「育ててやろう」なんていう上から目線じゃなくて、やさしい気持ちがないと人は育たないの。

「育児は育自」って言葉があるけど、その通りで、親になったからっていきなり完璧になれるわけがないよ。

だから、親に対していろいろ不満があるっていう人は、「親は未熟なりにがんばった。あのときの親にとっては、あれが最高レベルだったんだ」って思うことだよ。

子どもでも、部下でも、後輩でも、なにもあなたより劣ってるわけじゃないんだよ。

あなたと対等の魂なの。

あなたに「人と一緒に育つ」ってことを教えてくれる存在なの。

だから、相手が気持ちを打ち明けてくることがあったら、「そうだよね、わかるよ」 って言ってあげよう。

最初から否定して、花を踏みつけたらいけないよ。

「ちょっと甘いことを言ってるな」って思ったら、「そうだね、わかるよ。ただ、こういうのもいいかもしんない」って、教えてあげればいいの。

そして、「大丈夫だよ、私たちがついてるからね」って、安心を教えてあげること。

そこから先、どんな生き方をするかは、その人の問題なんだね。

間違ったことをしたら「それ、間違ってるよ」って言ってあげればいい。

怒るんじゃなくて「これこれ、こうだよ、だから、それはダメだよ」って、普通に間違っている理由を教えてあげるの。

相手は、何度も間違えるかもしれない。

何度も間違えないと覚えないっていう、前世から持ってくる魂のクセってのもあるからね。

それでも、怒らず懇々と教えてあげるの。

それが「すでにわかっている人」の務めだからね。

「でも、あんまりにも同じことを間違え過ぎじゃないのか?」って、頭にきそうになったら、こう考えてみな。

あなた自身が「懇々と教える」 ってことで学ぶ魂のクセを持ってきてるのかもしれないよ。

それぞれの家庭や会社ごとに、ルールがあるよね。

だけど、あまりにも上の人間や親が「それはダメでしょ」って言い過ぎたり、「これはこうやらないと」って干渉し過ぎたりすると、相手の花が根を張る「心の領域」がどんどん狭くなっちゃうんだよ。

根を張れない花はしぼんじゃう。

自分でやってみて失敗したこと、恥ずかしい思いをしたことって、ものすごく身につくの。

それは得がたい成功の種なんだね。

先回りしてやり方を手取り足取り指示して、「ダメダメダメ」を連発すると、その機会をすべて奪ってしまうんだよ。

本当の愛って、相手の心の領域に土足で踏み込まないことをいうんだよな。

自由に根を張る土壌を大きくしてあげようって、見守ることが大事です。

「一緒に咲こうよ」っていう大きな波動が出ている人は、太陽になっちゃうの。

明るくて、あったかいから、周りにみんなが集まってくるよ。

旅人が、太陽から方角を知るように
「どこへ行ったらいいんだろう」って迷っている人たちの目印になってあげることができるんだね。

自分が太陽になって、人と一緒に育つ。

これが、みんなで花園をつくる唯一の方法じゃないかな。


斎藤一人  宇野信行 著

『斎藤一人 成功の花を咲かせなさい』より