2024/04/15 08:10



日本は今、1億2000万人くらいの人口なんです。

だけどこれだけ大勢の人がいても、まったく同じ学びはひとつとしてないんだよね。

例えば、同じ病気でも人それぞれ症状や病状は違います。

カゼを引いたって、鼻水がどのくらい出るか、セキがどのくらい出るか、体のだるさはどの程度か・・みんな症状は違う。

それと同じで、1億2000万人いれば1億2000万通りの学びがある。

どのタイミングでどんな学びが必要か、それだって人それぞれ違います。

なぜかというと、ひとりひとり、魂の磨いている部分が違うからです。

神に近づくと、自分にも人にも優しくなる。

それは多くに通じる確かなことだけど、学びってそれだけじゃないんだよね。

失敗や病気に対する精神力が強くなる人もいる。

失敗をしたことで病気の人の痛みまでわかるようになる人もいる。

病気を通じて、失敗した人の苦しみまで想像できるようになる人もいる。

起きることにはいろんな学びがあるし、魂はいろんな形で成長していくんだ。

しかも、人と人が交われば、そのかけ合わせでまた違った学びが生まれる。

探せば探すほど学びはあるし、掘れば掘るほど深いのが学びなんです。

そういう意味では、大切な人が失敗して落ち込んでいるときなんかは、周りにいる人は愛を持って見守るしかないの。

そこで本人が何を学んでいるかは、誰にもわからないからね。

励ましがあったほうが学びにつながる人もいれば、放っておいたほうがいい人もいる。

ヘタに励ましちゃうと、かえって相手を傷つけてしまうこともあります。

だから基本は、愛を持って見守ること。

相手に合った励ましが明確になるまでは、それしかないんです。

みんな、すぐに「こういうときはどうしたらいいでしょうか?」って、ひとつの答えを求めます。

だけど、「1+1=2」みたいにぴしっと答えが出るのは数学くらいなもので、人生にはそういうはっきりした答えはありません。

あなたも私も、あの人もこの人も、ひとりひとり正解が違うの。

ということがわかればね、自分と違う考え方や、行動が違う人にも優しくなれるし、人と違う考え方や行動しかできない自分のこともゆるせるんじゃないかな。

またひとつ、神に近づけたね。


斎藤一人 著

『神的まぁいいか』より