2024/01/27 08:03


マザー・テレサって人がいたんだよ。  


彼女は、インドの奥地へ入っていって、死ぬ直前の人にも一生懸命尽くす。  


その様子を見た人たちは、いつも彼女に「この人たちは助からないのに、どうしてそんなに一生懸命看病するんだ」みたいなことをいうんだよ。  


そんなことをしても無駄だ、っていいたいわけだよね。  


でも、彼女は自分のしていることが無駄だとは考えないの。  


この人たちは不運にも恵まれないでここまできちゃった。  


だけど、死ぬ直前にでも愛情を注いで、一生懸命尽くしてあげると、その人たちが  


「生まれてきてよかった」って思う。  


その気持ちで魂の故郷へ帰ってもらいたいって考えていたんだよ。  


実際、俺たちは死ぬ三日前の人間を相手にしていないよね。  


だったら、今、目の前にいる人に愛を出していこうよ。  


それで、人の心に灯をともしていこうよ。  


「私には愛はありません」っていう人もいるけれど、それは違うよ。  


俺たち人間は、神さまの愛と光でできている。  


誰にでも愛はあるの。  


ただ、そのことに気づいていないだけなんだよ。  


愛を出すって、たいしたことをするわけじゃないの。  


ただ、  


「生まれてきてよかったね」  


って言いたいよね、って。  


そういうことなんだよ。  


空は青いしね。  


花は咲くしね。  


適当に雨も降ってくるしね。  


俺たちが暮らしているところは最高の場所だよ。  



柴村恵美子 著  

『斎藤一人の不思議な魅力論』より