よく、「やりたいことが見つかりません」とか「今の仕事が天職とは思えません」といった相談を受けます。      

自分の好きなことをそのまま仕事にできた人は、ある意味ラッキーかもしれません。      

多くの人が、自分の希望する職業に就いたり会社に入れるわけではないからです。      

楽しく仕事ができるに越したことはないのですが、おおむね仕事は大変なものです。      

だからこそ、給料をもらえるのです。      

「仕事が楽しくない」という人は趣味を充実させるとか、他に楽しいことを見つけてください。      

趣味ってお金がかかるのです。      

もっと趣味を楽しもうと思うと、もっと稼ごうと思います。      

そうやって趣味を楽しむために仕事をがんばっていると、いつの間にか仕事も楽しくなってきます。      

「天職が見つからない」という人は、まずは今の仕事を一所懸命やってみてください。      

天職とは“呼ばれるもの”です。      

つまり、呼ばれた先で一所懸命仕事をすることが天職なのです。      

なんでもそうですが、一所懸命やっていると道は拓けてくるものです。      

だからまずは人事を尽くす。      

そうしないと、あなたの本当の天命はわかりません。      

先に天職や天命を知ろうとしてもダメなんです。      

なぜかというと、天命や天職は教えてもらうものではなく、それを知る過程が一番大事だからです。      


一人さんは楽しい人生をおくる方法を、こう話してくれました。      

「人事を尽くして天命を待つ」という考え方と、「天命に任せて人事を尽くす」という考え方があるんです。      

ようするに、天命として出てきたことをやるんだっていうことだから、一所懸命やることは考えているけれど、先になにが出てくるかはお楽しみなの。      

明日は明日、まったくわからないのがお楽しみっていうことかな。      

楽しい人生をおくりたかったら、なにが出てきても楽しめる自分をつくることだよ。      


一人さんの生き方はまさに、この「天命に任せて人事を尽くす」なんです。      

さらにいえば、自分に起こったことを天命と捉え、それをどんなことでも“楽しく”人事を尽くす。      

これが一人さん流なのです。      


柴村恵美子 著      
『斎藤一人 天が味方する引き寄せの法則』より