2023/12/15 08:28



「私は不幸が続くのです」と言う人がいます。  

そういう人の考え方のフィルムには不幸という傷があり、そのフィルムがそのまま現実となって目の前に映し出されます。  

そのうえ、傷はどんどん大きくなってしまう。  

なぜかといえば、傷を負った現実は、そういう現実をまた作る。  

すると、それが自分にフィードバックされて、「やっぱりそうだ」ということになって、傷が広がったフィルムが作られて、それをまた映し出す。  

悪循環が起こって、フィルムの傷はどんどん大きくなっていく。  

だから、さらに不幸になるのです。  

この世の中、一年間だって、春があり、夏があり、秋があり、冬があり、四季すら4回も変わる。  

ずっと何年間も不幸だというのは、絶対不幸なフィルムを入れているからです。  

これを替えない限り、幸福は絶対にやってきません。  

ブッダも、キリストも、このことを話しています。  

しかし、昔は映写機というものがないから、ものすごい難しい説明になっていただけなのです。  

簡単に説明すれば、心と考え方だけ。  

命という光がこの考え方のフィルムを通して、現実となって映し出されているということです。  

だから昔から、「自分に起こることは100%自分の責任だと思いな」と私は言っているのです。  

でも、思いを急に変えられないかもしれない。  

それだったら、言葉から変えようと言っているのです。  

「ツイてる」「うれしい」「楽しい」「感謝してます」「幸せ」「ありがとう」「許します」などの天国言葉。  

天国言葉を使っていると、自然に心が変わってきます。  

だけど、突き詰めて言うと、あなたの考え方が問題なのです。  

あなたの心には、傷などついていません。  

小さなころからさまざまなことがあったと思うけれど、心に傷なんて一つもついていない。  

うまくいかないようならば、それは考え方に傷がついているからです。  

うまくいっている人とうまくいっていない人を、よく観察してみてください。  

考え方が違うだけです。  

考え方というフィルムを替えないで行動だけを変えても、うまくいきません。  

不幸のフィルムからは、不幸な事象しか起こらない。  

不幸なことばかり起こると、そのうち怖くなって行動もできなくなってくる。  

重要なことは、考え方のフィルムを替えること。  


心は傷つきません。  

今、あなたに起きていることは、あなたのフィルムが現実として映っているだけなのです。  


斎藤一人 著  
『普通はつらいよ』より