2023/12/02 09:14



「四」と「九」という数字は、不吉な数字といわれ、嫌われています。  

でも、私は、あえてこの数字を大切にしています。  

なぜかというと、以前、あるおもしろい夢を見たからです。  

その夢というのは、数字の「四」と「九」の夢です。  

数字の「四」と「九」は、自分たちは何も悪いことをしていないのに、世間の人々から嫌われていることを悩んでいました。  

自分たちなりに嫌われている理由をいろいろ考えたそうなのですが、いくら考えても思い当たるところがない。  

そこで、私のところへ相談に来たんです。  

私も人並みに、周りの人たちからいろいろな相談をされることがありますが、このような相談はいまだかつて経験したことがありません。  

だから、一瞬どうしていいのかわからなくて、しばらく呆然としていました。  

ところが「四」と「九」はそんなこともお構いなしで、  
「こんなカッコイイ形なら、人から好かれますかね」とかいいながら、ふたり(?)で、とっかえひっかえ形を変えていました。  

その様子がおかしくて、おかしくて、私は笑っていたんですが、「四」と「九」が  
「笑ってないで、一人さんもいいアイディア出してくださいよ」と注意されたので、私はまじめにこう答えました。  

「人間が勝手に『四』から『死』を、『九』から『苦』を連想してしまうだけで、あなたたちが悪いわけではないんですよ」  

すると、「四」と「九」が  
「ヒドイな、それ。私たち、ふたりあわせて『四九(よく)なる』なのに…」と言うんです。  

それを聞いた私は、なるほどそうだなと思って、濡れ衣を着せられた「四」と「九」がなんだかかわいそうになってしまいました。  

それで「これから、オレはあなたたちを大切にするよ」と私がいうと、「四」と「九」はホッとしたのか  
「ありがとう。私たち、ふたりで、あなたの人生を『四九』してあげるからね」といって、帰っていきました、とさ。  

という、本当におかしな夢なのですが、「四九なる」というフレーズがとても気に入って、以来、私は「四」と「九」を大切にするようになり、電話番号や車のナンバーにこの数字を入れることにしたんです。  

そのせいかどうかはわからないのですが、確かに、日々、小さなしあわせがたくさんやってきました。  

そこで、この話を私のお弟子さんたちにもしてあげたら、みんな大喜びをして、みんなで「四九なるまつり」というものをやりました。  

何てことはない、仲間うちで一杯飲んだというだけの話ですが…  

でも、「四」と「九」で「四九(よく)なる」だと思えば、別にこの数字を忌み嫌う必要はなくなってしまうんです。  


斎藤一人 著  
『ツイてる!』より