2023/11/30 08:25




「なんだか仕事をする気が起きない」というときがあります。      

理由はわからないけれど、心も体も疲れていて、やる気が出ないときが誰にでもあるものです。      

この停滞した気持ちを、明るく軽やかにして、やる気がぐんぐん湧いてくる、とっておきの方法があります。      

それは「今日、自分がした“あたりまえのこと”をほめること」      

例えば、「今日も満員電車で通勤して、えらかったね」とか。      

「子どもに笑顔で接して、いいママよね、私って」とか。      

「部下のいいところに気づいて、ほめてあげて、えらかったね」とか。      

そういうふうに、自分のした“あたりまえのこと”をほめていると、気持ちが満たされて、「明日も顔晴ろう」という気になるものです。      

なぜ、「自分をほめること」をしていると、やる気が出てくるのでしょうか?      

それは脳に「ほめ回路」というものができるからです。      

日本人の多くは「謙虚なことはいいことだ」という国民性もあって、日常の中で自分を否定することが多いもの。      

「どうせ私なんか」とか「私には、きっと無理だわ」とか「私は、そんな人間じゃない」とか。      

こういった自分へのマイナスな言葉は、脳にストレスを与えます。      

そして、これをずっと続けていると、脳に「不幸の回路」というものができてしまうのです。      

この「不幸の回路」ができてしまうと、とてもやっかいです。      

仕事で、どんなすばらしいチャンスがまわってきても、「どうせ私なんかにできっこない…」と後ろ向きに考えるクセがついてしまうのです。      

この「不幸の回路」を打ち破るには、脳に「ほめ回路」をつくることです。      

自分をほめることを習慣にしていると、「ほめ回路」のほうがだんだん太くなり「不幸の回路」のほうは細くなっていくのです。      

ところが、自分をいざほめようと思っても、そんなに目立った出来事が起こる日はめったにありません。      

「ほめる材料がないと、自分をほめられない」と思っている人は多いでしょう。      

ところが、違うのです。      

ふだんやっている「あたりまえのこと」こそ、それをしている自分を認めて、ほめてあげることが大切なのです。      

だって、その「あたりまえのこと」を続けてこなければ、いまのあなたはありませんからね。      

自分が自然とやっていることは、実は、賞賛を受けるべきことなのです。      

自分のやっている「あたりまえのこと」を、ほめて、ほめて、ほめまくりましょう。      

それを数日間やっただけでも、あなたの脳に「ほめ回路」ができて、あなたのモチベーションはぐんと上がります。      

たとえ10年間「不幸の回路」があったとしても、「ほめ回路」をつくるのに、そんなに多くの日数はかかりません。      

早ければ、数日、遅くても1ヶ月くらいで、「自分に自信をつけ、ジャンジャンバリバリ行動する気を起こす」という「ほめ回路」ができるのです。      

毎日、寝るときに「自分が今日やったあたりまえのこと」を、たくさんほめてあげましょう。  


あなたの中から「やる気」がとぎれることなく、湧き出てくるようになります。      


斎藤一人 著      
『人とお金』より