2023/09/25 08:15



人を愛するって、どんなことなんでしょう?  

私の考えている愛は、相手のことを考えてあげることなんです。  

自分のことしか考えないのはエゴです。  

本当の愛は相手のことを考えてあげること。  

でもそうするためには、自分のことを上手に愛せないとダメなんです。  

人を愛するためには、まず自分を愛することが先なんですね。  

じゃあどうやって自分を愛するのかというと、自分本位にわがままに動けってことじゃありません。  

それだと、ただのエゴになってしまいます。  

自分を愛するとは、自分の味方になってあげることです。  

絶対的な味方になってあげる。  

たとえば嫌な上司が会社にいたとする。  

ふつうだったら自分を責めてしまうかもしれません。  

「ちゃんと仕事ができない自分がダメなんだ」とか。  

でもそういうとき、自分を愛するためには自分の味方をしてあげるんです。  


自分の心の中で自分に言ってあげる。  

「ほんとに嫌な奴だね。わかるよ」と。  

ほかの人にわかってもらえなくてもいい。  

自分にわかってもらえればいいんです。  


自分を愛するとは、もっと簡単な言葉で言えば、自分に優しくすることなんです。  

優しいという字を見てみましょう。  

「憂」という字に「にんべん」がついていますね?  

憂えてる人のそばに人が寄り添うのが「優しい」ということなんですが、その場合の寄り添う人は他人じゃなくて、自分なんです。  

まずは自分に寄り添って、優しくする。  

そうしないと、優しさがわからないんです。  

自分が英語が得意でないと、人に英語を教えられないでしょ?  

それと同じで、自分に優しくできないと、人にも優しくできません。  

たとえ自分が人からずっといじめられてきたとしても、あるいは親から優しくされたことがなかったとしても、  

「そうだったよね。つらかったよね。でも大丈夫だよ」  

と自分に寄り添ってあげる。  

そうやって自分に優しくしていると、次の答えが見つかるようになっています。  

そういうしくみなんです。  

コンピュータはデータを打ち込めば、答えが出るしくみになっています。  

人間にも優しさを打ち込めば、答えが出るんです。  

人が優しくしてくれないなら、まずは自分が自分に優しくすればいい。  

そうすれば道は開けます。  

人にも優しくできるんです。  

そして優しい人がいっぱい集まったとき、優しい勢いができてくる。  

これを「優勢」というんですね。  

うちの会社は優しい人が集まっているから優勢なんです。  

つねに優勢を保っていられるのは、優しい勢いがあるからです。  

今まで憂えていた人間が、優しい人間に変わり、その優しい人間が集まったとき、優勢な人間関係とか、優勢な組織ができあがる。  

愛より強いものはない、というのはこのことを言っているんですね。  


斎藤一人  著  
『変な人が書いた人生の哲学』より