2023/09/08 08:54



「悟」っていう字は、りっしんべんに五を書いて、口を書くんだよね。   


りっしんべんは、心を表します。   


「五」っていうのは五本の指を表して、それを自分の「口」のほうに向けて、口を指す。   


これが悟りだって言うんだよね。   


で、何が言いたいんですかっていうと、自分の口の使い方がたいせつだよってこと。   


人は、吸う息、吐く息で生きてるんだよね。   


それから、いいものを食べれば元気になるし、へんてこりんなものを食べていれば病気になる。   


それと同じように、人生も、いい言葉や、愛のある言葉を話していれば、いい人生が浮かんでくるし、とげのある言葉をしゃべったりなんかしてると、人生がダメになってきちゃう。   


口の使い方ひとつで、健康から人生から、ぜんぶ左右できますよって。   


だから、「自分の口の使い方がよくわかることが、悟りなんだよ」っていう話ね。   


口って、す~ごいたいせつなの。   


船は、舵ひとつで、右でも左でも動くんだよね。   


車で言えば、ハンドルがあるじゃない。   


方向を決めるんだよね。   


言葉っていうのは、いわば、自分自身のハンドルなの。   


そのくらい、たいせつなんです。   


だから、いつも「地獄言葉」をしゃべってるのに、「天国へ行きたい」「幸せになりたい」って、そんなのは無理だよね。   


わかるかい?   


それから、非常に残念なことなんだけど、「地獄言葉」をしゃべってる人は、そこに毒があることにすら気がつかないの。   


周りの人が聞くと、明らかに、人の悪口だったり、不平不満だったり、文句だったりする。   


でも、自分では、あたりまえのしゃべりだと思ってるんだよね。   


まさか、自分が「地獄言葉」をしゃべってるなんて、思いもしない。


だけど、今まではそのことに気がつかなかったとしても、これから少しずつ、少しずつ気づけたらいいんだよ。   


そして、「天国言葉」をしゃべるようにしたらいい。   


それが、あなたにとって、今世でたいせつな仕事だよね。   

 


高津りえ    

『斎藤一人 ゆるしてあげなさい』より